英語について

聴き取りの練習はBBCで

さて、字幕を見ながらでも少しでも聴き取れる表現を増やして行こう、という話を前に書いたわけですが、ただドラマや映画を流しているだけでは身につかないのではないか、或いは、ちゃんと聞き取れるようになるのにどれくらい時間がかかるのか、不安に思う方も多いことと思います。今回は聴き取りの力をより効果的に高めていく方法について述べたいと思います。結論。ずばり、聞こえてくる音を書き取ることです。とは言え、1時間のドラマの台詞を全部書き取るとなると大変です。とても楽しめたものではありません。毎日楽しみながら、字幕を見ながら生の英語を浴びて、知らず知らずのうちに身につけていこう、というのがこの字幕方式のよいところなのですから。

そこで、私がおすすめするのは、BBC のワールドニュースのある日のトップニュース約1分間を1週間かけて書き取る方法です。これは、実際にある会社の研修で実践して成果を上げているのですが、どのニュースを書き取るかを参加者に伝えて、その場でも聞いてもらった上で、翌週までに書いて持って来てもらう、というものです。最初は、本当にびっくりするくらい皆さん聴き取れてなくて、いかに文字と音とが一致していないかを思い知らされました。つまり、殆どデタラメなのです。それが、半年も続けていると、かなり当たるようになってきました。

具体的には、次の BBC のサイトから、自分が見て面白そう、と思ったニュースをダウンロードします。

BBC Global News Podcast

できるだけ新しいニュースで、記事のタイトルも見て何となくわかる(日本の新聞やニュースでも報道されていて話題になっている)ものがいいでしょう。というのは、ドラマや映画と違って字幕がない、つまりポッドキャストだけでは正解がわからないからです。が、ほぼ同じタイミングで BBC ニュースのサイトに同じ記事がテキストで、場合によってはほぼ同じ表現で載っている可能性があるからです。そして、これらの記事はどんどん更新されて数日もするとどこに行ったかわからなくなってしまいます。なので、ポッドキャストをダウンロードしたら、まずそのトップニュースと同じ記事を見つけておいて、コピペしてテキストで保存しておくことをおすすめします。

さて、準備ができたら、最初の1分間を何度も繰り返し聞いて聞こえたものから書き出していきます。聴き取れない音もたくさんあると思いますので、そこは丸で囲むか何かして、聴き取れた単語をどんどん書き出していくのです。1分間ですと大体200単語くらいになります。最初はなかなか進まないかもですが、諦めずに4〜5日トライしてみて下さい。そして、どうしてもわからないところは最初にコピペしておいた「カンニングペーパー」で確認するのです。そして、聴き取れないところを少しずつ減らしていくのです。

実は、BBC のニュースの聴き取りは難しいのです。その理由は、そもそも日本の英語教育は米語中心に行われてきましたが、BBC のニュースは、クィーンズ・イングリッシュだから、というのが一つ。そしてもう一つは、ワールド・ニュースのレポーターは現地の人が担当していることも多く、その国その国で訛っていることも多いのです。しかし、それこそ私が BBC のニュースをすすめる理由でもあります。というのは、例えば私はシステム開発プロジェクトに身を置いていたりするわけですが、この分野で相手にするのはインド系、中国系、そしてロシア系の方々が多いのです。そう、インド訛りの英語、中国語訛りの英語、ロシア訛りの英語、こういうものを聴き取れないと仕事にならないのです。

英語は世界で話されている言語です。それは、一口に英語と言ってもいろんなバリエーションがあることを意味しています。少しでも多くのバリエーションに慣れていくのに、BBC ニュースの聴き取りは効果的なのです。

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